ツィゴイネルワイゼン
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2001/09/21
- メディア: DVD
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ジャームッシュの作品を集中的に観ていたので、影響を受けたという鈴木清順も観てみようという気になった。
で、鈴木清順監督作品初体験がこれ、ツィゴイネルワイゼン。
強烈。
いまさらだけど、こんな映画があったのか…と溜息が出た。
ピースが多すぎて歪んでしまったジグソーパズル、もしくは切り刻まれ、繋ぎなおされ、めちゃくちゃになったパッチワークのような映画。
観ている最中は、映画に翻弄された。
時間の感覚もストーリーもわからなくなり、混乱し、途中からはわかろうとすることも記憶しておこうとすることも止めてしまった。
けれども映画がおわってみると、くっきりとこの映画の像がたちあがってくる。
古い記憶のように、ひとつひとつの場面や奇妙なエピソードが刷り込まれてしまっている。
思いだそうとしなくても、ふとした瞬間にそれらが溢れかえり、蘇る。
これは快楽だな…と思う。
観ている間に感じた混乱さえ、今となってはなにか艶かしく、快楽の余韻として噛み締めている。
三人の盲の旅人(→「ストレンジャー…」)、その内のひとりがたらい(?)で海に漂っていくシーン(→「デッドマン」)など、これはジャームッシュがやったよねというところを発見できたのもよし。
中砂を演じた原田芳雄は凄く下品でいい。
そして青池を演じた藤田敏八は、そのまんまつげ義春の漫画に登場してもおかしくない風貌で、凄く可笑しい。