イタリア映画祭開幕!

イタリア映画祭、本日から5/7まで有楽町マリオンで開催。
イタリア映画祭2006公式サイト→http://www.asahi.com/event/it06/


本日さっそく、一日有楽町マリオンに入り浸って、イタリア映画を堪能してきた。
今日の上映は『心の中の獣』、『クオ・ヴァディス、ベイビー?』、そして開会式を挟んで『私が望む人生』。
どれも大人向けのしっかりした作品で、みごたえ充分。とくに恋愛関係にある男女の描き方は、さすがイタリアですね…、という印象。ハリウッド系恋愛映画は稚拙で物足りない、という20代後半からの人にお勧めしたい。強く。
それから、重いテーマを扱ってはいるが、どこかユーモアがあって笑える場面があるところも、三つの作品には共通していた。こういうセンスいいな。会場からもクスクス笑う声が聞こえていたし。


『心の中の獣』と『クオ・ヴァディス、ベイビー?』はともに、家族をテーマにした作品。家族関係が崩壊した環境に育った主人公が、その記憶をたどる過程を経て、他者と新しい関係を結んでゆく物語になっている。
『私が望む人生』は、役を演じることに没頭するあまり、自分自身を生きることができなくなってしまった映画俳優たちが主人公。お互いを受け入れられずすれちがっていく人間関係が、ここでは劇中劇を用いることでより複雑に、厚みをもって描かれている。


もし一本、これは、という作品を挙げるとしたら『私が望む人生』。
監督と、主演の二人が『ぼくの瞳の光』と全く同じで、人のわかりあえなさをテーマにしているのも同じ。すべてを受けとめることはできなくても、重なりあう一点を見つけることはできるかもね、という微かな明るさでラストを締めくくるのも同じ。
というふうに、同じ尽くしなのだけど、こういうのが私はすき。
あとはやはり、『心の中の獣』にも出演して大活躍中のルイジ・ロ・カーショ、彼の地味なキラースマイルにやられている、というのもある。


女優さんは、私はイタリアの女優さんてみんな個性的ですごくきれいだと思うのだけど、『クオ・ヴァディス、ベイビー?』に主演したアンジェラ・バラルディは飛び抜けてカッコよく、すごく好きになってしまった。本職はロック歌手らしい!

『心の中の獣』2005
監督:クリスティーナ・コメンチーニ
出演:ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、ルイジ・ロ・カーショ、他

『クオ・ヴァディス、ベイビー?』2005
監督:ガブリエーレ・サルヴァトーレス
出演:アンジェラ・バラルディ、ジージョ・アルベルティ、他

『私が望む人生』2004
監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ
出演:ルイジ・ロ・カーショ、サンドラ・チェッカレッリ、他