指が月をさすとき、愚者は指を見る-世界の名科白50 四方田犬彦
- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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お父さんが死んで、わたし悲しいわ
花田清輝が”もっとも滑稽な科白”として例に挙げたこの「名科白」。
悲しいとき、「悲しい」と言ってしまうことが滑稽なら、ではその悲しみをどのように他の人に伝えるか。
その戸惑いこそが文学の始まりなのではないか、ということを四方田さんは書いている。
文学とは表現することではない。表現できないものを前にした戸惑いである。花田清輝という人は、たぶんこうしたパラドックスに、早くから気づいていた人ではなかったかと、今のわたしは考えています。