納豆ごはんを食べても元気がでないという緊急事態。
あんなに食べたかったクチボソガレイを食べても、おばちゃん特製納豆昆布入りだしを食べても、ぐんぐん元気がなくなってゆく。
悲しい時は悲しいでいい、という弟の言葉にしたがうことにする。
悲しい。


富士日記』ってすごいいいっすよ、と勧められたのを思いだして、『富士日記』を買う。
フトンの上でだらんとして読む。
「これを読んでると、この家族がいまもずうっと富士山の見えるところで、三人で、暮らしているような感じがする」と、勧めてくれた人は言っていた。


新宿のTという喫茶店に行く。これも勧められたのを思いだして、とりあえず行ってみる。
最近、新宿にあるSという喫茶店に行った時、調度品やドアの取っ手がぜんぶぴかぴかに磨かれているのを見て、自分が働いている店のもぴかぴかにしなくてはと思い、磨き粉を買った。もちろん店のお金で。
Tの調度品も、ぴかぴかしている。とくに銅製品。
明日、店の調度品とドアの取っ手を全部磨こうと決める。


帰りに、おばちゃんの煮物の味を思いだして、自分でもつくってみたくなったので、厚揚げを買う。
食べたくなったので海老も買う。
家についたとたんやる気がなくなって、ぜんぶ冷蔵庫にしまう。
でもやっぱりちょっとつくりたいし食べたい。どうしよう。