ウィスキー

ウルグアイ発、なんだか不思議な手触りの映画。

靴下工場を経営するハコボと、その従業員のマルタは、毎日同じ凡庸な日々をすごしている。
そこへ、ハコボの弟エルマンがブラジルから帰国。
ハコボは、マルタに弟が滞在している間、夫婦のふりをしてほしいと頼む。

無口で地味なハコボとマルタ。
対照的に陽気なエルマン。
つかの間の旅行に出かけた三人の間には、緊張感、よそよそしさ、そしてひそかな親しさが、微妙なバランスで渦巻きはじめた。


映画は淡々と、しかし奇妙な緊張感を保って進行する。
ユーモアを交えながら、どこかあっけからんとした寂しさを感じさせる。
そこに幻想的なものは一切ない。
ウルグアイの乾いた風景の中にどっしりと根をおろした、手ごたえのある映画。


ラストはかなり唐突な終わりかた。
「えっ?」と思ってしまったけれど、そう、ハコボとマルタとエルマンの人生と生活はこれからも続いていくのだから。
始まりも途中も終わりもない。
人の暮らしも、人間関係も、そういうズルズルしたものなんだなぁ、きっと。


「ウィスキー」公式サイト http://www.bitters.co.jp/whisky/


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