のんきな姉さん
『のんきな姉さん』をはまぞうで探しても出てこないのね。残念です。
これは山本直樹『のんきな姉さん』、唐十郎『安寿子の靴』、森鴎外『山椒大夫』から想起して撮ったという映画。
見てて辛い。久しぶりに。
つまらない辛さということではなくて、見ていて苦しくなってしまう辛さ。
見ている間中、生々しさと痛々しさに、ずっと体がこわばっていた。
儚くもろい架空の世界のように見えて、しかし現実の世界にぴったりと粘り着いてもいる、ひどく長いけだるい夢のようだ。
そういうの私は本来苦手なんだけど、最後まで見てしまったのは、映像が美しかったからかもしれない。すごく粘着質な美しさなんだけど、魅力的だった。
しかし弟をもつ姉の立場としては、いまひとつノリきれなかったことを、正直に告白しておきます。