ハンナ・アーレント『全体主義の起源』を読む

朝カルが東工大と提携して行っている講座の一つで、講師は橋爪大三郎氏。
私はハンナ・アーレントの著作を読んだこともなければ、彼女について知っていることもほとんどなかったのだけれど、『心はあるのか』の著者橋爪さんの講議だからという理由で受講を決めたのだった。
(しかし哲学に親しむやり方として、たぶんこれはまったくOKなやりかただと、私は最近思っている。)


講議はアーレントの生涯について説明があった後、彼女の主著である『全体主義の起源』をレジュメに沿って丁寧に解説していくという形ですすんだ。
橋爪先生は、講議を始めるにあたって、確かこんなふうに仰った。
「この思索の宝の山を、分かち合いましょう」(正確ではないかもしれない、でもおおよそこんな意味のことを)
なにかジーンと感じ入ってしまい、私はレジュメのはしっこの方に<思索の宝の山>とメモをとってしまったほどだ。
講議は全体にとてもわかりやすくて、アーレントの思想を橋爪先生がどんなふうに受け取っているか、またアーレントの定義した全体主義を今日の状況下にどうあてはめてみることができるか、といったことにも言及する場面があって、とても刺激的。ひじょうに面白かった。